Tuesday, April 22, 2014

アメリカに行って気付いた日本の特徴:経済規模の割に先進的なソフトウェアの導入が遅い

今回の話は、お金の話です。日本といえば、まだGDP世界3位で、まだまだ世界の中では経済大国だという自負があり、日本のことを過大評価していました。食品・飲料、宝飾品などなどの分野においては、日本は洗練された消費者がいて、マーケットもそれなりに大きい重要な市場だと思います(成長性は置いといて)。

ただ、特に先進的なソフトウェアに関してはこの限りではないようです。以前、とあるオープンソフトウェア製品の販売に関わっている人が、オーストラリアではめちゃくちゃ売れているのに、日本では全く売れないんだよねといぼやいていて嘘だろうと驚いたことがありました。

ガートナーの記事を拾いながら、今、国際化対応の仕事で関わっているBI(Business Intelligence)分野の市場規模を例にして紹介してみます。

こっちの記事を読むと2011年で世界市場は12.3 billionドルです。
http://www.gartner.com/newsroom/id/2507915

次に以下はアジア太平洋のBI市場の成長予測について言及している記事です。
http://www.gartner.com/newsroom/id/2670615
  • 2014年のアジア太平洋の市場規模が1.4 billionドル:世界の約10%。
  • アジア太平洋1位のオーストラリアが386.2 millionドルでアジア太平洋の27%、世界の2.7%
  • 中國が217.3 million ドルでアジア太平洋の16%、世界の1.6%

この記事はオーストラリアの記事だそうで、日本の市場規模については全く紹介されていません。(ガートナーと同じ集計をしているか判断できないので、この記事以外からはあえて拾っていません。)

アジア太平洋で3位以下であればアジア太平洋の16%未満であることは確実です。日本は世界から見ると1.5%以下です。日本のGDPはオーストラリアの約5倍あるのに対し、日本の市場が妙に小さいのが分かります。さらに、今後の成長が見込めないとすると、将来的に世界から見た市場規模は小さくなる一方です。

この状況はBIに限らず、別のソフトウェアでも同様のことが起きていると聞いたことがあります。欧米のソフトウェアベンダーには、まずアメリカ・ヨーロッパを攻めて、次にアジア・太平洋を狙うとなるとそのまま持っていけるオーストラリアを選び、次に成長が期待できそうな中国、その後、日本だと見ているようです。

なんでこんな状況に陥っているのかは、私には分かりませんが、ずっとこの傾向が続いているとしたら、今後もすぐに変わるわけではなさそうです。

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こういう状況があるので、海外のソフトウェアベンダーから見ると日本市場に特化した改善は優先度が低く見られがちのようです。そもそも世界の市場でしのぎを削っている状況で、日本でしか通用しない機能に労力をさく余裕はないな〜と考えていてもおかしくはないです(絶対みんな思ってます)。最近では、日本で販売しないソフトウェアも出てきているという記事を読んだことがあります。

かと言って、いきなり英語公用語化する企業も少数派でしょうから、私を含めて日本のエンジニアが海外ソフトウェアを日本人ユーザにとって快適に使えるように国際化・現地化に勤しんでいます。頑張ります。

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