Friday, November 1, 2013

故郷を出る話と自分のルーツに帰る話

うちの職場に移民二世の方がいますが、親(一世)が話す祖国の言葉は理解できるけど、自分は読めないし、書けないらしいです。
多少勉強はしたけど、生活の中で祖国のことばを使う機会もなく、言葉を学ぶモチベーションが持てなかったそうです。

この話を聞いていたら、一方で、三世の代で急に隔世遺伝のように自分のルーツに帰るパターンもあることを思い出しました。

僕が学生のときにヨーロッパを旅してたら、宿泊先のユースホステルで日系三世の女の子と知り合いました。彼女は自分のルーツに強い関心を抱いて、親(二世)が全く日本語を話せないにもかかわらず、自分で学校にいって、片言の日本語を話せるまで上達したそうです。(日本語を学び始めた理由は聞かなかったけど、思春期の頃に自分のルーツを思い返す強い体験があったのかもしれません。)

自分について言えば、思い返せばまともに徳島市の阿波踊りに行くようになったのは20才くらいです。県外の大学に進学して、県外の人と生活を共にして出身の話をするようになって初めてそういやおれ徳島出身だったなと思い出して、地元の阿波踊りに関心を持つようになりました。

あれくらい規模の祭りはそうそうないことも知ったのも県外に出てからで、これまで祭りを継承してきた地元の人はすごいなとも思ってます。

また、徳島出身であることを自覚したのと同じように、自分が日本人であることを本当の意味で自覚したのは学生のときにフランスにインターンに行った時です。初めて生活する外国で、習慣の違いに気づいたり、職場の同僚や寮の友達に日本について聞かれる旅になぜ日本とフランスはこんなに違っているのか考え、そういうことを考えることを通じて自分が日本人であることを生まれて初めて本当の意味で自覚し始めました。

おそらくは、故郷にいて生活していると、自分がどこから来たのか、あまりにも自明すぎて気にしないものですが、自分が知っている世界から出ていって、外の世界とのギャップに気づいてはじめて自分のルーツに自覚的になれるのだと思います。

今日、社内でおしゃべりしてて、およそ10年前に旅先で出会った日系三世の女の子の話、フランスにインターンに行ったときに考えていたことを思い返しました。

以上、故郷を出る話とルーツの話でした。

No comments:

Post a Comment