Saturday, December 7, 2013

欧米と日本の採用に対する考え方の違い(欧米には新卒採用がありません)

欧米と日本では採用に対する考え方が全く違います。このエントリでは私が知っている範囲でその採用に対する考え方の違いをご紹介します。

総論


総じて言うと日本は、高度成長期に確立された慣習が未だに残り続けている関係で「新卒一括採用」という珍しい採用の仕方をしています。新卒にとっては職歴がなくてもポテンシャルで採用してくれるので、相対的に楽な社会のような気がします。このチャンスを逃す手はありません!また、日本は専門性を問わない新卒採用が多いことから、会社の事情通なジェネラリストを生み出しやすい社会のような気がします。

一方で、新卒採用に偏りすぎた関係で、中途採用市場が未成熟だったり、中途採用に合わないような制度が残っていたりします。例えば、年齢の足切りがあったり、プロパー・中途・契約社員で明確に待遇の差を付ける会社もあるようで、中途は欧米より厳しい気がします。これは一方で批判されていることでもあるので、なくなっていく傾向にあるでしょう。

(どっちが優れているかという結論はないですが、仕事の専門性が高くなっている現代に新卒一括採用はそぐわないような気がしていて、日本もだんだん中途採用がもっと一般的になるような気がします。)

(1) 欧米には新卒採用がなく、新卒は中途採用に応募するしかない


日本の大手企業は新卒一括採用を基本として、通年で中途採用も行っているところが多いと思いますが、これは欧米の常識とは大きく違うようです。

欧米では基本的に中途採用しかなく、たとえ新卒であっても中途のポジションに対して応募するしかありません。当然、中途採用なので、職歴や専門・スキルの有無を問われます。新卒の人は基本的に職歴がないので、どうするかというと在学中にインターンに参加して職歴を作る必要があります。そういった背景からインターンシップの市場がかなり充実しているようです。

卒業後も中途採用を通らなかった場合は、インターンといった正規職でないポジションに応募して職歴を作る人も多いようです。残念ながら採用されずにずっと非正規職を転々とする人が少なからずいる点は日本の若年層にフリーターが多いのと似ている気がします。

なぜ日本には新卒採用があるのか?


私は労働関係の専門家ではないので実際のところよく分かりませんが、Wikipediaの記述によると、新卒採用は高度成長期の名残のような気がします。この頃は、大量生産・大量消費の時代であり、採用の個別性が低く、高卒を大量採用すれば事足りていたからだと思います。結果的に新卒採用中心になってしまった反動で、欧米と比較して中途採用市場が未成熟のままになってしまい、さらに新卒採用をやらざるを得ない状況になっているような気がします。(最近では、中途採用市場が活性化してきているので、状況は変わっていると思いますが)

(2) 採用の際には必ず Job Description (職務記述書)が用意される


欧米では採用の際に必ず Job Description という仕事内容や責任範囲を記載した文書が用意される事が多いようです。これは採用するポジションの管理職に当たる人が作成し、中途採用の募集をかける際に使われます。仕事内容は基本的に Job Description に書かれていることをやります。

日本の新卒採用だと、採用する側・される側の両方についてポジションに対して応募するのではなく、会社に応募しているような状況が多いような印象を受けます。(就職ではなく就社?) そのためか、 募集の際に Job Description のようなものはなく、採用した後も採用時とは違ったポジションにローテーションするケースが多いと思います。

(最近は職種別採用が増えてきて、応募の際に職務内容の説明があるケースが増えているのだとは思いますが)

(3) 採用の判断は受け入れる部署の担当者が行う


日本では、人事部が新卒採用の権限を持っていて、一括採用した後に本人と面談して最終的な配属先を決めるケースが多いのではないかと思います。

欧米の企業では、基本的に採用したい部署の人が採用の権限を持っているようです。どのポジションに何人ほしいのか、各ポジションのJob Descriptionをその部署のマネジャーが決め、採用の面談はその部署の人達で行いますし、採用するかどうかは受け入れ部署が決めます。

人事部は採用是非の判断するわけではなく、主に募集の広告を掲載したりする補助的な仕事をしているようです。中途採用なので、採用ポジションの専門性や募集の背景について把握している人が決めるのは合理的な気がします。


(4) 中途採用では年齢・性別・人種による差別は禁止


日本では基本的に若い世代(30代中心)を採用することが多いようですよね。採用の際にも年齢をはっきり書いているケースがあります。

一方で、特にアメリカでは年齢・性別・人種などによって不採用にすることは禁止されているので、採用したいポジションに見合った職歴などある方であれば採用されます。

先日、うちの職場に40代後半くらいだと思われる方がサーバーサイドエンジニアとして中途採用されていましたが、日本ではそれくらい年齢の高い人をエンジニア職で中途採用しているのをあまり見ないので、少し驚きました。

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特にこれといった結論もなくダラダラと書いてしまいました。また国ごとの違いなどあれば別エントリで書いてみます。

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